矯正治療には歯並びや患者さんの希望によって、いくつかの種類から治療法を選ぶことができます。その中でブラケット矯正のブラケットとは歯に装着する装置の名前で、ワイヤーを通して歯並びを矯正していく方法です。ブラケットが銀で目立ってしまって矯正をためらっている人にも、最近は見た目にも目立たないブラケットも出てきています。
それではブラケット矯正の値段や期間、気になる痛みなどについて詳しくご説明します。
目次
1.ブラケット矯正とは?メリットやデメリットについて
メリット
1 実績がある
長年行われてきた矯正の方法なので、症例もたくさんあり、実績があります。また、新しい治療だと治療することができる矯正医が限られてきますが、対応することができる矯正医がほとんどです。
2 対応できる歯並びが多い
矯正は歯並びの程度によって治療することができる方法も変わってきます。ブラケット矯正は全体的に少しずつ歯を動かしていくので、全体的な咬み合わせまで矯正することができ、対応することができる歯並びが多いです。
3 豊富な種類のブラケット
◆見た目が分かりにくい白い透明なブラケット(審美ブラケット)
◆摩擦が少ないブラケット(セルフライゲーションブラケット)
◆治療していることが分かりにくい裏側のブラケット(リンガルブラケット)
などお口の状態にもよりますが、患者さんの希望によってブラケットの種類を選択することができます。
デメリット
1 期間がかかる
矯正装置をつけて少しずつ歯を動かしていくので、一定期間時間が必要です。歯並びの程度にもよりますが、数年単位で治療が必要になってくることもあります。
2 虫歯のリスクがある
ブラケットは固定式なので、ブラケット部分は少し汚れがつきやすい構造になっています。しっかり汚れを除去してあげないと、ブラケットの部分が虫歯になってしまうリスクが高くなってしまいます。
3 見た目や違和感
種類によっては目立たないブラケットも出てきましたが、スタンダードな銀のブラケットだと見た目が目立ってしまってストレスになってしまうことがあります。また、お口の中は髪の毛が1本入っても気になってしまう繊細な所なので、装置に慣れるまでは違和感を感じることもあります。
2.ブラケット矯正の値段は高いの?安いの?
ブラケット矯正は自費治療なので歯科医院ごとに値段が変わってきますし、選択するブラケットの種類によっても料金が異なってきます。ブラケット矯正でかかる費用の目安をご紹介します。この費用は森デンタルクリニックの費用とは異なり、あくまで一般的なクリニックで行われている治療についての費用の目安になります。
治療前
初診料 (0円~5,000円程度)
お口の状態やどの様な歯並びが希望か確認します。
また治療の流れや装置の特徴についてご説明します。
精密検査料 (10,000円~50,000円程度)
レントゲン撮影・歯科用模型・お口の撮影など検査していきます。
診断料 (10,000円~50,000円程度)
検査結果を元に治療計画を立てていきます。
治療中
装置料 (表側矯正の場合 80万円~100万円程度)
(裏側矯正の場合 100万円~150万円程度)
表側矯正より技術も必要になってくるので、裏側の矯正の方が高い傾向になります。
調整料 (通院ごと5,000円~10,000円程度)
歯科医院ごとに費用のかかり方が違う所もあり、『トータルフィー制』の歯科医院では調整料という形ではなく、最初にかかる金額が決まっている所もあります。
多くの歯科医院は『装置料』と通院ごとにかかってくる『調整料』に分かれていることが多いです。
治療後
メインテナンス料 (2,000円~5,000円程度)
場合によっては後戻り防止のリテーナー (10,000円~50,000円程度)
メインテナンスで歯並びの後戻りはないか、汚れはついていないかなどチェックしていきます。<br? 状態によっては後戻り防止のリテーナーという装置を使用することもあります。
3.ブラケットの矯正に必要な期間は長いの?短いの?
どの矯正治療でもそうですが、歯並びの程度によって矯正期間が大きく変わってきます。
前歯の一部分だけ少し並んでいない場合では期間が短くなりますし、前後に大きくガタガタしている場合には時間がかかってくるので、目安の時間にはなりますが、表側矯正では装置をつけてから1年~3年程度、裏側矯正では装置をつけてから1年半~4年程度が目安になります。
裏側の矯正は目立たない点がメリットになりますが、表側矯正に比べて少し時間が長くなる傾向にあります。
歯並びを治す方法としては、ブラケットの矯正は長い方になりますが、全体の歯並びを治すので咬み合わせなどもしっかりと咬む様にすることができる点や歯を削る必要がないので、長い目で見ると理想的な治療といえます。
4.痛みについて、他の矯正方法と比較
矯正中の痛みは歯並びや個人差がありますが、装置をつけて歯が動く時に2日~3日間痛みがあることが多いです。その他に歯が動いている時に何もしていない状態では感じないのですが、物を咬んで力が加わると痛みがでる場合もあります。その他に矯正装置の種類によって痛みが変わってきます。
1 ブラケット矯正
歯全体を少しずつ動かしていくので一般的に一番痛みが出やすい矯正方法です。装置をつけている全体に痛みや違和感が出ることが多いです。成人の方は永久歯が生え揃って時間が経っているので、子供に比べて動きにくく、子供の頃の方が痛みは少ないと言われています。
2 マウスピース矯正
新しいマウスピースを使用する時にきつい感じや違和感を感じることがあります。マウスピース矯正をすることができる適応が、歯並びがある程度整っていることが条件なので、ブラケット矯正に比べると痛みや違和感は少なくなっています。
3 床矯正装置
乳歯から永久歯への生え変わりの時期に永久歯を生えるスペースを確保するためにあごの骨の成長を促すのが床矯正装置です。あごが広げられる様な違和感があることはあります。そして、子供が使用するので、子供が嫌がることがあり、保護者が一緒に協力して進めていくなどの必要はあります。
4 顎間ゴム
上の装置から下の装置のかけるゴムです。ゴムのかけ方が色々あるのと、歯並びによっても異なってきますが、引っ張られる違和感は多少あります。痛みはそれほどないのですが、患者さんにゴムをかけることをお願いするものなので、違和感でゴムをかけないと治療期間が長くなってしまったり、あまり良いことがありません。指示された通りゴムをしっかり頑張ると矯正期間が短縮することもあるので、顎間ゴムの指示があった場合にはきちんと指示通りにかけることをおすすめしています。
5.まとめ
ブラケット矯正は期間が少しかかってしまいますし、見た目が気になってしまう点がデメリットでした。ただ最近では見た目のストレスを軽減する審美ブラケットや摩擦を少なくするセルフライゲーションブラケットもあり、患者さんのストレスの軽減に繋がっています。そして、ブラケット矯正は長い歴史があり実績があるので、安心です。色々な歯並びに対応することができますし、全体的なバランスを見て咬み合わせも理想的なものにしていきます。
また費用も歯科医院によっても異なりますし、患者さんのお口の状態によっても変わってくるので、矯正治療が気になった際にはまず相談されることをおすすめします。キレイな歯並びを手に入れると笑顔に自信が持てたり、お顔全体の印象が変わったりとメリットがたくさんあります。ブラケット矯正で整った歯並びを手に入れませんか?
監修者紹介
森デンタルクリニック
院長 森 健
矯正費用の高さや期間の長さで矯正自体を諦めて欲しくないという思いから「前歯部分矯正専門の歯科医院」を開業。「笑顔」にこだわり、来院したすべての患者様が自分史上最高の笑顔を手に入れられるような治療を目指している。
2008年3月 明海大学歯学部卒業 2008年4月~2009年3月 明海大学病院勤務 2009年4月~2017年7月 都内歯科医院勤務 2017年9月~ Mori Dental Clinic開院