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インビザラインの費用相場とは?内訳と費用を抑える方法も紹介

インビザラインの費用相場とは?内訳と費用を抑える方法も紹介

インビザラインは、透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かす治療方法です。
治療範囲により費用が大きく異なるため、プランの種類を理解しておくと、自分の症状に合った計画を立てられます。

一方、費用の内訳を知らないまま治療を始めると、追加料金の発生や想定外の支出につながる場合もあるため、注意が必要です。

この記事では、インビザラインのプラン別費用相場と、治療前・治療中・治療後の各工程でかかる費用内訳を説明します。
医療費控除やデンタルローンなど、総額を抑えるための具体的な方法も取り上げました。

歯並びの改善を検討している方は、自分に合った治療選びの参考にしてください。

プラン別|インビザラインの費用相場

インビザラインは、必要なアライナー枚数や治療の複雑さによって、複数のプランが用意されています。
治療内容が異なるため、費用相場もプランごとに大きく変わり、目的に合わせて選ぶことが重要です。

ここでは、おもな6つのプランを紹介します。

  • ・コンプリヘンシブ(すべての歯)
  • ・モデレート(中程度)
  • ・ライト(軽度)
  • ・エクスプレス(ごく軽度)
  • ・Go(軽度・奥歯以外)
  • ・ファースト(6~10歳の子ども)

自分の症状と治療目的と合うプランを見つける参考にしてください。

コンプリヘンシブ(すべての歯)

上下の全歯列を対象としたもっとも包括的なプランで、複雑な症例にも対応できる点が特徴です。

必要なアライナー枚数が多く、噛み合わせのズレや歯列全体の乱れを細かく調整するため、総額はほかのプランより高くなる傾向があります。

治療期間は1年半〜2年以上に及ぶケースもあり、途中で追加アライナーを作成することも珍しくありません。

費用相場は80~120万円ほどで、長期の調整や管理が含まれる医院では100万円を超えることが多いでしょう。

抜歯が必要な症例でも治療を進められるため、歯並びを根本から整えたい方に向いているプランです。

モデレート(中程度)

部分的な歯並びの乱れから中程度のズレまで対応するプランで、全体矯正ほどの大きな調整を必要としない場合に選ばれます。
アライナー枚数は20〜26枚程度が目安で、複雑な噛み合わせの改善までは求めないケースで利用されることが多いです。

治療期間は8ヶ月~1年半ほどが一般的で、必要に応じて追加アライナーを発注することもあります。
費用相場は60~80万円程度で、全体矯正よりも負担を抑えつつ、見た目と機能のバランスを整えられます。

大幅な歯列改善までは必要ないものの、前歯の重なりや軽度の噛み合わせを整えたい方に適したプランです。

ライト(軽度)

前歯の軽い乱れやわずかな傾きなど、比較的シンプルな症例に適したプランです。
必要なアライナー枚数は14枚前後と少なく、歯の移動量が大きくないため、短期間で治療を終えられます。

治療期間は4~8ヶ月ほどが一般的で、
費用相場の目安は40~60万円程度です。
追加アライナーが必要になるケースは多くありません。

大掛かりな噛み合わせの調整はせず、前歯のガタつきや軽度のスペース不足を整えたい方に向いています。

エクスプレス(ごく軽度)

歯の位置をわずかに整えたい場合に利用される、ごく軽度の症例向けプランです。
アライナー枚数は7枚前後と少なく、短期間で仕上げたい方や、以前の矯正後にわずかに後戻りしたケースにも使われます。

治療期間は3~6ヶ月程度です。
複雑な調整はいらず、追加アライナーを発注する場面は多くありません。
費用相場は20〜40万円ほどと、インビザラインの中ではもっとも低く設定されているプランです。

大幅な移動には対応していないものの、小さな歯の傾きや隙間の調整を希望する方に適しています。
短期間で見た目を整えたい場合に選ばれやすい治療方式です。

Go(軽度・奥歯以外)

前歯から犬歯までを中心に整えるプランで、奥歯の大きな移動を伴わない軽度の症例に適しています。
対象範囲が限定されるため、アライナー枚数は少なく、治療も比較的複雑ではありません。

治療期間は4~7ヶ月ほどが目安です。
必要に応じて、追加アライナーを作成する場合もあります。

費用相場は30~50万円程度で、前歯部のガタつきや軽度の隙間を重点的に改善できます。

ファースト(6~10歳の子ども)

混合歯列期に行う小児向けプランです。
乳歯と永久歯が混在する時期に適した設計で、顎の成長を考慮しながら歯列を整えられる点が特徴です。
成長を利用して歯が並ぶスペースを確保できるため、矯正後の負担が軽減されやすい点も評価されています。

治療期間は1年前後が一般的で、口腔内の変化に合わせて追加アライナーを作成することもあります。
費用相場は40~60万円程度で、成人向けプランと比べて対象範囲が異なるため、費用と治療目的を事前に整理しておくことが大切です。

歯のガタつきや狭い歯列、成長に伴うバランス調整を早期に行いたい子どもに適しており、将来の歯並びを整える準備段階として利用されています。

関連記事:歯科矯正で分割払いはできる?費用を抑える方法

インビザラインの費用に含まれる内訳

治療段階で必要な工程が異なるため、治療の内訳もそれぞれ異なります。
ここでは、以下の3つの工程を取り上げ、実際に行われる処置を整理しました。

  • ・矯正前|カウンセリング・精密検査・診断
  • ・矯正中|マウスピース製作・調整・管理
  • ・矯正後|保定・観察

治療全体の流れを理解するためにお役立てください。

矯正前|カウンセリング・精密検査・診断

矯正開始前は、歯と骨格の状態を正確に把握し、治療計画の設計が必要です。
口腔内の情報を多角的に分析することで、治療プランの精度が高まり、あとの追加費用や治療期間のズレを防ぎやすくなります。

以下に、矯正前に行われる内訳をまとめました。

工程内容
カウンセリング治療の希望確認、費用説明、適応の簡易判断
精密検査X線撮影(パノラマ・セファロ)、3Dスキャン、口腔内写真、歯周・虫歯チェック
診断データ分析、歯の移動量のシミュレーション、治療計画(クリンチェック)の作成
前処置(必要時)虫歯治療、歯周治療、便宜抜歯、クリーニングなど

診断ではカウンセリング内容と精密検査のデータを統合し、どの程度歯を動かす必要があるかを見極めます。

矯正中|マウスピース製作・調整・管理

矯正中の工程は、マウスピース(アライナー)を段階的に交換しながら歯を動かしていきます。
治療計画に沿って進めるため、定期的なチェックと微調整を要します。
以下に、矯正中に発生するおもな工程をまとめました。

工程内容
マウスピース製作初回アライナーの製作、治療途中の追加アライナー(リファインメント)の発注
調整・管理アタッチメント装着、IPR(歯間作り)、咬合調整、経過確認
再製作対応(必要時)アライナーの紛失・破損時の再発注
定期通院治療進行の確認、追加処置や再診査

治療を円滑に進めるにも、定期管理でどのような治療がされるのか把握しておくことが大切です。

矯正後|保定・観察

矯正後の工程では、動かした歯を安定させるための保定期間に入ります。
マウスピース矯正は後戻りのリスクがあるため、リテーナー(保定装置)を適切に使用することが欠かせません。
治療が完了した段階でも、歯は周囲の組織が安定するまで時間を要するため、この期間の管理が治療結果を左右します。

矯正後に行われる工程は以下のとおりです。

工程内容
保定装置(リテーナー)製作取り外し式リテーナー、固定式ワイヤーなどの作成
保定管理リテーナーの使用指導、装着時間の調整、フィット感の確認
観察・経過チェック噛み合わせの確認、歯の位置安定の評価、必要な微調整
再製作対応(必要時)リテーナーの紛失・破損時の再発注

保定期間中は、取り外し式のリテーナーや、歯の裏側に固定するタイプのワイヤーを用いて歯の位置を維持します。
通院では、装置のフィット感や噛み合わせの変化を確認し、必要に応じて調整します。

リテーナーの破損や紛失時には再製作費がかかるため、取り扱いには注意が必要です。

インビザラインの費用を抑える方法

無理のない支払い方法や、適用できる制度を知っておくことで、治療の負担を軽減しながら矯正を進められます。
ここでは、費用負担を抑えるための方法を3つ紹介します。

  • ・デンタルローンを使う
  • ・医療費控除を利用する
  • ・治療範囲を限定する

総額を抑えながら、必要なケアを受けましょう。

デンタルローンを使う

デンタルローンは、インビザラインなどの矯正費用を分割で支払える仕組みで、初期費用を抑えたい場合に有効です。
一般的なクレジットの分割払いより金利が低いことが多く、長期返済にも対応しています。

毎月の負担額が一定なため、まとまった資金を一度に準備できない方でも、治療を始められます。
ただし、審査が必要で金利負担が生じるため、返済計画を事前に確認しておくことが重要です。

医療費控除を利用する

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で所得控除を受けられる制度です。
インビザラインは「治療目的の矯正」であれば対象となり、支払った金額の一部が税金の還付につながります。

家族の医療費と合算できるため、活用すれば実質的な負担を抑えられる点がメリットです。

治療範囲を限定する

治療範囲を必要最小限に絞ることで、アライナー枚数や治療期間が短くなり、総額を抑えられます。
全体矯正ではなく前歯部のみを整えるプランを選ぶことで、費用が大きく下がるケースもあります。

噛み合わせの大きな改善を求めない場合は、適切な範囲で治療目標を設定することが重要です。

インビザラインの費用相場を把握したうえで治療方法を選びましょう

インビザラインの費用相場は、治療範囲やプランの種類によって大きく異なります。
治療前・治療中・治療後のそれぞれの工程で費用が発生するため、全体像を理解しておくことが重要です。
さらに、医療費控除やデンタルローンの活用、治療範囲を限定するといった工夫を取り入れることで、負担を抑えながら矯正を進められます。

費用の仕組みを理解しておくことで、必要以上の出費を避け、自分に合った矯正計画を立てやすくなります。
複数のクリニックを比較しながら、症状や目的に合う治療方法を選ぶことで、納得のいく結果につながるでしょう。

監修者

森 健

森 健

Mori Dental Clinic 院長

<略歴>

  • 2008年3月 明海大学歯学部卒業
  • 2008年4月〜2009年3月 明海大学病院勤務
  • 2009年4月〜2017年7月 都内歯科医院勤務
  • 2017年9月〜 Mori Dental Clinic開院

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