歯科矯正の費用は高額になるため、ローンを組みたいと考えている方は多いでしょう。確かにクレジットカードやカードローンといった選択肢はありますが、費用が高額である故のデメリットがあります。そこでおすすめできるのが歯科矯正に特化した「デンタルローン」です。デンタルローンがおすすめできる理由やメリット・デメリット、さらに他の支払い方法との違いや医療費控除・保険適用の有無についてもよく理解しておきましょう。
この記事では、歯科矯正におけるデンタルローンについて解説します。
目次
【歯科矯正はローンを組める?】デンタルローンとは
デンタルローンとは、個人が歯科矯正を受ける際の「治療費特化型ローン」のことです。デンタルローンは通常のカードローンやキャッシングとは別に提供され、用途も歯科治療費に限定されています。
デンタルローンは、主に保険が適用されない歯科矯正で使われることが多いです。ただしローンを提供するのはクリニックではなく、金融機関や信販会社です。クリニックで直接契約できるものを「提携デンタルローン」といいます。
歯科矯正の治療費は、場合によっては数十万、100万円を超えることもあります。そのため、まとまったお金が用意できなくても分割払いできるデンタルローンのニーズは高いです。
ただし、誰でも使えるわけではありません。通常のカードローンやマイカー・住宅ローンと同様に、所定の審査に通る必要があります。審査では勤務先や収入状況、信用状態や他社からの借り入れ状況などが重要視され、審査基準に満たない人は借り入れできません。
歯科矯正でデンタルローンを組むメリット
デンタルローンの基本的な部分は理解できたものの、普通のカードローンやキャッシングを使えば良い、と思う方もいるでしょう。そこで次は、歯科矯正でデンタルローンを利用する3つのメリットについて解説していきます。
すぐに治療を開始できる
デンタルローンを利用すれば、すぐに歯科矯正を始められます。選べる支払い方法はクリニックにより異なりますが、たとえば「矯正装置を入れるたびに支払う」方式の場合、お金が用意できるまでは治療できないため、必然的に治療期間が延びてしまいます。
しかしデンタルローンであれば、最初に費用を一括払いで対応し、追加治療の必要が発生しても現金で支払う必要がありません。その結果、矯正がストップせず最後までスムーズに矯正を進められます。
支払い計画が立てやすい
デンタルローンは、現金払いやクレジットカード払いよりも支払い計画が立てやすいです。現金での一括払いは一度の負担が大きくなってしまう点や、クレジットカード払いの場合他の支払いと混ざってしまい、歯科矯正費用だけで支払いを管理するのが難しくなる点があります。
その点でデンタルローンは最長10年程度の返済期間を設定することもできますし、歯科矯正費用の支払いに特化できるため収支管理が楽になります。支払いを煩雑にしたくない、家計をしっかり管理したい方こそデンタルローンを利用するべきだといえます。
他のローンよりも低金利なことが多い
デンタルローンは他のカードローンやキャッシングよりも金利が低い傾向にあります。あくまで参考値ですが、金利相場の違いは次のとおりです。
ローンの種類 |
金利相場 |
消費者金融カードローン |
15~18% |
クレジットカードのキャッシング |
15~18% |
銀行のフリーローン |
4~15% |
デンタルローン |
3~8% |
上記のとおり、デンタルローンは他のローンよりも低金利であるため、結果的に総返済額が少なくなります。単に支払回数が減るだけでなく、たとえ返済期間を長期に設定しても返済負担がそこまで大きくなりません。
歯科矯正でデンタルローンを組むデメリット
次は歯科矯正でデンタルローンを組むデメリットについて、3つの点をそれぞれ解説します。
デンタルローンに対応していない歯科医院がある
デンタルローンはすべてのクリニックが対応してくれるわけではありません。支払い方法を現金払い、またはクレジットカードのみに限定している歯科医院もあります。そのためどれだけ「評判が良い」クリニックであっても、デンタルローンに非対応なだけで選択肢から外れることがあります。
利息を支払わなければならない
デンタルローンは他のローンやキャッシングと同様に、一定の利息が発生します。デンタルローンの金利(実質年率)はフリーローンよりも低いですが、それでも返済が長期化すれば多くの利息を支払うことになります。
デンタルローンを利用しても大幅な割引を受けられることはほぼなく、現金での一括払いよりも総支払額が高くなる可能性があります。あくまで「返済負担を軽減できるもの」や「支払い管理が楽になるもの」という認識を持つことをおすすめします。
返済が長期化する可能性がある
デンタルローンは最大で10年の返済期間を設定できるため、月々の金銭的負担を軽減できます。ただし返済が長引くほど利息が増え、最終的な支払総額も増えてしまいます。
これはデンタルローンだけでなくすべてのローンに共通するデメリットですが、家計(収入)と支払いのバランスを取れるような支払い計画を事前に立てることが重要です。
歯科矯正でデンタルローンを組んだときの金利
デンタルローンの金利は商品を提供する金融機関や信販会社により異なりますが、相場としては「3~8%」程度です。住宅ローンやマイカーローンよりは若干高めですが、多くの人が利用するフリーローン・カードローンやキャッシングの金利よりは大幅に低金利です。
では、金利によりどれだけ総支払額が変わるのでしょうか。以下の条件でシミュレーションしてみます。
- 借り入れ金額:100万円
- 返済期間:5年
- 金利(実質年率):15%・10%・5%
シミュレーション結果は次のとおりです。
ローンの種類 |
想定年率 |
総返済金額 |
月々の返済金額 |
消費者金融 カードローン |
年利15% |
1,427,340円 |
23,789円 |
銀行 フリーローン |
年利10% |
1,274,820円 |
21,247円 |
デンタルローン |
年利5% |
1,132,260円 |
18,871円 |
このとおり総支払額は金利で大きく変わるため、少しでも金利が小さいローンを選ぶのは重要です。金利が5%低いだけで、総返済額が約15万円も少なくなるのです。
ただし実際にローンを比較するときは金利だけでなく、借り入れの上限金額や設定できる返済期間の長さなどにも注目しましょう。
歯科矯正費用をデンタルローン以外で支払う方法
デンタルローンのことを理解できても「新しいローンは組みたくない」などの理由で他の方法を選びたい方もいるでしょう。そこで次はデンタルローン以外で支払える4つの方法について、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。
一括払い
歯科矯正費用は、現金やクレジットカードで一括払いできます。一括払いは支払う費用が明確であり、金利が発生しないというメリットがあります。ただ多くの方が一括払いを避けるのは、一度の支払い負担があまりにも大きいからです。
たとえば家計に余裕があっても、一括で車を購入する人は少ないです。多くの人は一度の支払い負担を軽減するため、マイカーローンやクレジットカードの分割払いを使います。歯科矯正費用も場合によっては中古車・新車の費用を上回ることを考慮すると、単純明快ですが現実的な支払い方法ではないと言えます。
歯科医院の分割払い
クリニックによっては、現金での分割払い(院内分割)に対応してくれます。これは金融機関や信販会社を通すものではなく、それぞれの歯科医院が独自に設定している支払い方法の一つです。
比較的金利が低く、ローンやクレジットカードを使わなくても分割払いが可能というメリットがあります。ただし長期返済には対応していなかったり、クリニックにより要件が大きく異なるため分かりにくい、というデメリットもあります。
クレジットカード払い
ほとんどのクリニックは、クレジットカード払いに対応しています。既存のクレジットカードを使えば新たにローンを組む必要はありませんし、一括払い・分割払い・リボ払いなどの返済方法を自分で選べます。
ただし歯科矯正は費用が高いため、それだけで限度額を使い切ってしまう可能性があります。そもそも矯正費用を支払えるだけの限度額がない方も多いでしょう。たとえ使えても限度額を圧迫するため、歯科矯正のために新しいクレジットカードを作るのが現実的な手段となります。
カードローン
歯科矯正費用は、消費者金融や銀行のカードローンで賄うことができます。消費者金融は審査に通りやすく、即日での借り入れ可能というメリットがあります。銀行のフリーローンは消費者金融よりも低金利ですが、審査は厳しめです。
この場合も、金利面が大きなネックになります。特に消費者金融のカードローンは審査が甘い代わりに初回借り入れの金利が高め(18%程度)に設定されるため、返済期間が長期化するほど総返済額が膨らみます。また消費者金融は借りられる金額が「年収の3分の1」に限られるため、この時点で選択肢から外れる方もいるでしょう。
歯科矯正の費用はいくら?
歯科矯正の費用は、矯正方法や矯正範囲、矯正器具の素材によって次のように大きく変わります。
矯正方法 |
矯正範囲 |
費用相場 |
ワイヤー・表側矯正 |
全体矯正 |
60〜130万円程度 |
部分矯正 |
30~60万円程度 |
|
ワイヤー・裏側矯正 |
全体矯正 |
80〜180万円程度 |
部分矯正 |
40~70万円程度 |
|
ハーフリンガル |
80~130万円程度 |
|
マウスピース矯正 |
全体矯正 |
70~100万円程度 |
部分矯正 |
10~40万円程度 |
ワイヤー矯正は歯科矯正で用いられるもっともスタンダードな矯正方法ですが、矯正範囲を広くしたり、外側からの目立ちにくさを優先するほど高額になります。また次のとおり、選ぶ矯正器具によっても大きな差が出ます。
矯正器具の素材 |
費用相場 |
メタルブラケット |
30~80万円 |
ハイブリッドブラケット |
35~90万円 |
プラスチックブラケット |
50~100万円 |
セラミックブラケット |
60~100万円 |
ジルコニアブラケット |
60~100万円 |
上記の費用にくわえて、矯正前に虫歯治療を行う場合や、1ヶ月に1回程度の通院にも追加で費用が発生します。余裕をもった支払い・返済計画を立てるためにも、デンタルローンの利用をおすすめします。
歯科矯正をするなら森デンタルクリニック
歯科矯正を検討しているものの、どのクリニックを選べば良いか分からないと感じている方は多いでしょう。そこでおすすめできるのが、前歯の部分矯正を専門とする「前歯矯正専門 Mori Dental Clinic」です。このクリニックがおすすめできる理由は、次のとおりです。
- 他のクリニックで矯正を断られた人でも利用できる
- ワイヤー矯正だけでなく、マウスピース矯正にも対応
- 後戻りしづらい「裏ワイヤー」を採用
- 開口したときに目立ちにくい「ホワイトワイヤー」を選べる
- 3ヶ月から半年程度の短期間で矯正できる
- 抜歯なしでの矯正も可能
- 支払い方法が多様であり、デンタルローンも利用できる
当クリニックは前歯の矯正に特化しているため専門性が高く、他のクリニックでは断られるようなケースでも対応してくれます。外から目立ちにくい矯正が可能ですし、もし矯正の手順や料金に関して不安がある人は、事前のカウンセリングで相談できます。
料金体系がシンプルかつ比較的安価であるのもメリットです。前歯矯正は「38.5万円」で、デンタルローンを使えば月々「2,916円」の支払いで済みます。興味がある方はぜひ一度公式サイトをご覧になり、電話での無料相談を検討してみてはいかがでしょうか。
歯科矯正のローンに関連するよくある質問
最後は、歯科矯正に関してよくある4つの質問に回答します。
デンタルローンの審査は通りにくいですか?
金融機関や信販会社はデンタルローンの詳細な審査基準を公表していませんが、消費者金融のカードローンよりも審査は厳しいといわれています。特に収入が不安定なアルバイト・パート職や、主婦(主夫)や学生は会社員と比べて審査に通りにくいです。
しかし「収入が少ないから申し込めない」わけではありません。特にクリニックが信販会社と提携しているデンタルローンは比較的審査に通りやすいといわれているため、審査が不安な方におすすめです。
デンタルローンは何回払いまで可能ですか?
クリニックにより異なりますが、デンタルローンは最大120回(10年)の支払回数が設定可能です。支払回数を増やすと一度の返済負担を大幅に軽減できますが、総返済額が増える点には注意が必要です。
歯科矯正で医療費控除を受けることは可能ですか?
歯科矯正が所得税減税につながる医療費控除の対象になるかどうかは、歯科矯正の「目的」により変わります。医療目的の矯正は医療費控除の対象ですが、審美(美容整形)目的での矯正は医療費控除の対象外です。
一例として、次のようなケースは医療費控除を受けられる可能性が高いです。
- 子どもの成長に悪影響を及ぼさないように、歯の噛み合わせを矯正する
- 噛み合わせが悪いために咀嚼や発音がうまく行えず、治療の必要がある
医療費控除が対象になる矯正の場合、通院費や交通費も控除の対象になります。確実に節税するため、レシートやクレジットカードや電子マネーでの決済履歴は必ず残しておきましょう。
歯科矯正で保険が適用されることはありますか?
歯科矯正費用は基本的に保険適用外ですが、以下の場合に限り保険が適用されます。
- 「別に厚生労働大臣が定める疾患」の治療のために矯正歯科治療を行う
- 前歯・小臼歯・永久歯のうち3歯以上で萌出不全があるため咬み合わせ矯正を行う
- 顎離断を伴う顎変形症の外科手術前または外科手術後に矯正を行う
上記のとおり、保険適用になるのは原則「矯正が必要不可欠な場合」のみです。医療費控除と同様に、審美目的での矯正は対象外となります。