受け口(反対咬合)を手術なしで自力治療?子供と大人で違う費用と期間!

受け口(反対咬合)を手術なしで自力治療?子供と大人で違う費用と期間!


歯並びが悪い、専門用語で言えば「不正咬合」と言いますが、これには細かく幾つかの種類に分けることができます。その一つ「受け口」「反対咬合」と呼ばれる不正咬合も、もちろん矯正治療の対象となります。

さて、受け口についてどれだけ詳しくご存知でしょうか?自分は無関係でも、ご家族や知人が受け口に悩まされる可能性もあります。受け口について理解すると、これが大人と子供でさまざまな点に違いがあることがわかるのです。今回は、受け口とその治療について解説したいと思います。

目立ちにくい透明のマウスピース矯正


【目次】


1.受け口(反対咬合)とは?

  1-1 受け口(反対咬合)とは?

  1-2 受け口(反対咬合)になる原因

  1-3 受け口(反対咬合)のリスク

2.成長に合わせた受け口の治療方法や期間、その費用は?

  2-1 4~7才(乳歯の時)の受け口治療の種類

    2-1-1 マウスピース

    2-1-2 ヘッドギア

  2-2 7~9才(前歯だけ永久歯の時)受け口治療の種類

    2-2-2 上顎拡大装置

  2-3 14才~(すべて永久歯の時)受け口治療の種類

    2-3-1 ブラケット矯正

3.受け口を治すには手術は必要?

    3-1 手術なしで治せる受け口

    3-2 手術ありで治す受け口

4.まとめ

5.受け口に関してのQ&A

    5-1 Q1 受け口は自力で治せる?

1.受け口(反対咬合)とは? 

受け口(反対咬合)とは?

1-1 受け口(反対咬合)とは?

受け口とは不正咬合の一種であり、「下の歯が上の歯よりも前に出る」という状態の不正咬合です。通常、口を閉じる際には上下の歯は上の歯のほうが前に出るものであるとされており、下の歯が前に出ている状態を受け口、もしくは反対咬合(前後の上下が反対なので)と呼ばれています。

ついでに、似たような不正咬合についても説明しておきます。まずは「切端咬合(せったんこうごう)」です。この不正咬合は下の歯が前に出るのですが、受け口ほど前に出るわけではなく、上下の歯が同じ程度になるという不正咬合です。通常の歯並びであれば下の歯のほうが(横から見たら)後ろになるのですが、切端咬合の場合は上下の歯がほぼ同じ位置で噛み合います。

次は「しゃくれ」す。確かにしゃくれは受け口と同じような症状であると判断できますが、「下の歯が前突している理由」において違いがあります。しゃくれの場合は骨格に原因がありますが、受け口はそうではありません。

「反対咬合」や「下顎前突」は、受け口とほぼ同じ意味で用いられることが多いです。下の歯のほうが前に突き出している状態であり、その中でも特に「上下のかみ合わせが逆になっている状態」のことを、受け口と呼んでいます。

1-2 受け口(反対咬合)になる原因

受け口になる原因はいくつか考えられますが、第一に「遺伝」が挙げられます。受け口の要因となる遺伝子を受け継いでいる人は、成長するに従って受け口になるリスクが高まります。

次に「上顎の未発達」です。受け口は下の歯のほうが前に出る不正咬合ですが、その原因が下ではなく上にあるパターンです。上の顎の発達が遅れていることで、相対的に下の歯のほうが前に突き出す形になります。

他には「悪癖」が挙げられます。具体的に言えば、舌で下の歯を前に押し出す癖がある場合、受け口になりやすくなります。子供というものは成長の途中であり、こうした癖を放置して継続させてしまうと、徐々に歯や顎の骨が動いてしまい、受け口になってしまいます。

1-3 受け口(反対咬合)のリスク

受け口になると、いくつかのリスクを抱えることになります。まず第一に「見た目が悪い」ということです。これは他の不正咬合にも言えることではありますが、通常とは異なるかみ合わせの位置は表情の形にも影響します。デメリットとなるのは、見た目が悪いということに対するコンプレックスを抱くことです。最悪の場合、見た目の悪さを気にして人前に出ることを恐れ、引きこもってしまうこともあります。

受け口のリスクは見た目の悪さだけではありません。まずは「発音」です。かみ合わせが悪いことで、特に「さ行」と「た行」の発音に問題を抱えることになります。次に「咀嚼のトラブル」です。かみ合わせが悪いことで咀嚼が不十分になることが多く、消化不良により胃腸に負担がかかりますまた、かみ合わせの悪さは肩こりなどの原因になることもあります。放置しておくと、さまざまな健康上のトラブルを抱えることになるのです。

2.成長に合わせた受け口の治療方法や期間、その費用は?

成長に合わせた受け口の治療方法や期間、その費用は?


次に、受け口を治療するにあたって年齢別の治療方法や治療期間などについて解説します。

2-1 4~7才(乳歯の時)の受け口治療の種類

まずは、4~7才の頃の受け口の治療です。この頃は乳歯が生えている、もしくは前歯の永久歯が生え始めている頃であり、治療方法としてはマウスピース矯正を利用することが多いです。

2-1-1 マウスピース

マウスピースの中でも「ムーシールド」「T4K」というマウスピースを用います。費用は10万円~40万円が相場となります。治療に必要な期間は、症状にもよりますがおよそ6ヶ月から、長い時は2年程度の期間を用いて矯正します。

2-1-2 ヘッドギア

受け口の矯正においては「ヘッドギア」を用いるケースもあります。これは、頭と顎に装着する矯正器具であり、顎の成長をコントロールすることで受け口を矯正します。マウスピース矯正では受け口を矯正できない場合に用いられるのですが、やはり見た目の悪さや装着感などがネックになってしまいます。

2-2 7~9才(前歯だけ永久歯の時)受け口治療の種類

次は、7~9才の受け口の治療について解説します。この頃になると、前歯だけ永久歯に生え変わっているケースが多いです。この頃の受け口の原因として考えられるのは「上顎の成長不足」です。そのため、下顎の成長を抑えるのではなく、上顎の成長を促す形で受け口を矯正します。用いられるのは「上顎拡大装置」です。

2-2-2 上顎拡大装置

この矯正器具は、上顎の真ん中の、左右に分かれた骨のつなぎ目に位置する「正中口蓋縫合」を広げることを目的とします。この時期、正中口蓋縫合はまだ左右に分かれている状態であり、これを矯正装置で広げることで上顎を大きくするのです。これで下顎の成長に合わせた上顎の状態に矯正することができ、受け口を改善できるのです。

かかる費用は少し多めになり、15万円~40万円で矯正できるクリニックがあります。治療期間も眺めで、1年半~2年ほどかかることが多いです。

2-3 14才~(すべて永久歯の時)受け口治療の種類

次は14才以上の受け口の治療について解説します。この頃になると歯はすべて永久歯に生え変わっていることが多いです。骨の成長もほぼ終わっている段階であり、用いられる矯正方法は「ブラケット矯正」です。

2-3-1 ブラケット矯正

いわゆる、歯列矯正の際に用いられる金属製の矯正器具としてイメージが定着している矯正方法です。ブラケットという金属製の器具を歯に装着し、これをワイヤーで引っ張ることでその力を利用して歯並びを改善します。さまざまな不正咬合に対応できますが、見た目の悪さなどが問題となります。

昨今は、審美性を追求したブラケット矯正が数多く開発され、利用されています。ただし、審美性を追求する場合、費用相場は数段上の金額となります。費用を抑えたい場合は、従来の金属製のブラケット矯正を利用することになりますが、金属アレルギーなどの問題も生じるので注意が必要です。

費用についてですが、金属製のブラケット器具であればおよそ80万円審美性を高める場合は100万円~150万円ほどかかるケースが多いです。治療に必要な期間は2~3年と長くなります。

3.受け口を治すには手術は必要?

受け口を治すには手術は必要?


次に、受け口の改善において「手術」は必要なのかどうかについて解説します。

3-1 手術なしで治せる受け口

受け口の矯正において手術を不要とするパターンは、前述までの「子供の受け口の矯正」が一般的です。矯正器具を用いることで、1~3年の時間をかけてゆっくりと受け口を改善します。

また、こうした矯正器具を用いた受け口の改善以外にも、成長途中の子供の段階であれば「トレーニング」によって受け口を治せる可能性があります。子供の受け口の場合、舌の動きが受け口を誘発しているケースが多く、それを改善することで成長に伴い自然に受け口を改善するというコンセプトです。

具体的なトレーニング内容ですが、例えば「タンドラッグ法」というものがあります。これは、舌を正しい位置に置き、喉の方向へと舌をずらしていくトレーニング内容です。また、「オープンクローズ法」というトレーニングでは、舌を正しい位置に置いて口を開閉し、舌の筋肉を鍛えると同時に舌先を正しい位置にキープできるようになります。その他にも、舌の動きや位置を主眼とした各トレーニングによって、矯正器具を用いずに受け口を治せるようになります。

繰り返しますが、これは子供向けの改善方法です。既に成長が終了している大人の場合、この方法では受け口を改善できません。

3-2 手術ありで治す受け口

既に成長が終了している年齢での受け口の治療では、ブラケット矯正を用いることが多いです。しかし、場合によっては手術をしなければ受け口を改善できないケースもあります。重度の受け口を改善する場合、外科矯正を行います。

大人の受け口の場合、顔の形が変形していることもあります。この場合、例えば顎を下げる手術と通常の矯正治療を併用することで受け口を改善します。手術と聞くと短期間で劇的に改善できるイメージもありますが、受け口の外科療法の場合は矯正治療も併用するため、総合で3~4年ほどかかるケースが多いです。

費用についてですが、保険が適用できれば60~80万円で治療を受けられるクリニックもあります。ただし、症例次第では治療期間および費用がかさむ可能性もありますので注意してください。

矯正が必要になるので、どうしても治療完了までには相応の時間が必要になります。しかし、そこまでの時間をかけずに受け口を改善したいという人も少なくありません。その場合にお勧めなのが「セラミック矯正」です。

これは、一般的な「歯を動かす矯正」とは異なり、セラミックの被せ物を利用することで受け口を改善しますその意味では矯正とは言い難い内容ではありますが、場合によっては非常に短い期間で受け口を改善できる方法でもあります。

具体的な方法ですが、まず受け口の原因となっている歯を削ります。次に、削った歯に、受け口を改善できるような形のセラミック製の歯を被せます。こうすることで、短期間で受け口を改善できますし、他に歯並びや審美性において追求したいポイントがあればそれに合わせてセラミックの被せ物を工夫できます。

ただし、セラミック矯正デメリットとして「歯を削る」ということが挙げられます。通常、歯というものは削るほどにその寿命を縮めてしまいます。被せ物をするので外見上は健康な歯に見えるのですが、その実削った分だけ歯の健康を損ない、歯の維持が難しくなってしまいます。その点を危惧して、セラミック矯正を敬遠する人も少なくありません。

また、セラミック矯正と通常の歯列矯正を合わせて利用することもあります。この場合、一部だけ矯正治療を施し、セラミックを併用します。費用についてですが、被せ物に使用する素材によって異なりますが、1本あたり8~10万円程度の費用で矯正できるクリニックがあります。そのため、矯正治療の対象となる歯の本数が多いほど費用がかかることになります。

4.まとめ

まとめ


このように、受け口の治療は子供の頃であれば手軽に済むことが多く、大人になってから矯正しようとすればそれなりの手間と費用がかかることになります。もちろん、治療する症状次第ではあるのですが、やはり成長途中の子供の頃に受け口を治しておけば、将来的な手間のリスクを回避できるケースが多いです。

治療方針は、同じ受け口の症状であっても医療機関ごとに異なります。そのため、希望する治療方法を利用できるかできないかについては、医師ごとに異なり、場合によっては複数の医療機関で話を聞く必要もあります。

特に、お子さんの受け口を治すにあたっては出来る限り負担の少ない方法で、しっかりと受け口を治したいところです。通院するのに無理のない範囲で矯正治療可能な医療機関を探し、希望通りの内容で治療ができる病院を探してください。

5.受け口に関してのQ&A

5-1 Q1 受け口は自力で治せる?

A1 成長途中のお子さんの場合であれば、軽度の受け口ならトレーニングを利用することで改善できるケースもあります。しかし、成長が完了している大人の場合だと、よほど軽度の場合でなければ改善できないことが多く、重度の受け口を改善するのには適していません。

また、自力で歯を動かして受け口を改善するという方法もネット上で公開されていますが、これは危険です。素人では、動かすべき歯や動かすべき方向・距離などを正確に知ることは難しいです。何らかの方法で歯に力をかけて動かそうとしても、逆に歯の位置をより不健康な位置にずらしてしまう可能性があります。歯の寿命を縮める結果になりかねませんので、お勧めできません。

さらに、虫歯や歯周病などのリスクを抱えている場合、トレーニングだけでは十分な矯正効果を得られない可能性が高いです。この場合、原因となっている虫歯や歯周病などの口腔トラブルを歯科医院で治療する必要があります。方法論として、トレーニングを利用した受け口を治すことは十分に可能ですが、誰にでも有効とは言い難いです。ご自身の受け口が、トレーニングによる自力の受け口改善に適した症状であるかどうかを知るためにも、まずは医療機関を受診して、専門家である歯科医師に診てもらうことをお勧めします。正しいトレーニング法を知ることで、より安全に受け口を改善できます。
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目立ちにくい透明のマウスピース矯正

著者紹介

森デンタルクリニック 院長 森 健

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